横浜国立大学における高等研究院の設立経緯と狙い
2018年度から2022年度までの第2フェーズでは、先端科学高等研究院は「リスク共生学」を基本理念とし、世界をリードする学術分野の研究を推進してきました。学内の研究者を結集し、研究支援を集中的に行うことで、先進的な研究を加速させました。こうした専門分野が独自の進展・発展を見せてゆく一方、新しい学問分野は異なる学問の融合から生まれ、またこれまでにない切り口からイノベーションや価値創造が生まれます。このような視点から、大学は新たな学術を生み出し、社会に発信する場としての役割を果たしてゆく必要があると考えます。
そこで2023年度からの第3フェーズでは、先端科学高等研究院に加え、新たに総合学術高等研究院を設置しました。先端科学高等研究院では、先鋭的な研究領域において世界水準の研究を推進します。また総合学術高等研究院では、横浜国立大学の将来ビジョンを掲げ、学内から分野横断的に研究者を結集し新たな学術分野を創造します。”YNU Dialogue”を通じて研究成果を広く発信し、社会との対話を通じて課題解決を目指すこの取り組みは、横浜国立大学としての新たな試みであり、「総合知の形成」を目指すものです。
先端科高等研究院 副高等研究院長
吉川信行